データ可視化とは?その必要性と基本手法を解説

近年、企業の持つデータが膨大になるにつれて、「データ可視化」の重要性が訴えられています。ツールを導入したり、データ分析チームを作ったりすることで、データからビジネスに有用な情報を取得しようとする企業が増えているものの、具体的に「業務上のデータ可視化はどうすればいいのか」わからない方が多いのではないでしょうか。

そこで、本稿は「データ可視化とは何か」からその手法、ポイントを解説します。

1.データ可視化とは

ウィキペディアWikipedia)によると、「可視化」とは人間が直接「見る」ことのできない現象、事象、関係性を「見る」ことのできるもの(画像・グラフ・図・表など)にすることをいう。

平たく言えば、データ可視化は数値データを一目でわかる形で整理し、データに隠した情報を表示することです。データの「見える化」と「視覚化」と呼ばれることもあります。

データ可視化とは

2.データ可視化の必要性

人間は数値データを覚えることが弱いので、データ可視化は直感的にデータが示す意味を理解させる最も簡単な方法です。

数字の羅列だけでデータとその関連性を分析するには数時間、数日がかかるのに反して、データ可視化は業務システムに保存される大量のデータを1ヵ所に繋げて、グラフやチャートでデータの傾向や大きさを見えるようにすることができます。

データ可視化の必要性

データ可視化の主なメリットは三つがあります:

1.現状を把握し、課題やその原因を発見することで、迅速な対応が可能になる

2.社内にデータをオープンに利用可能に、情報を早く共有し、業務の効率を上げる

3.社内の様々なデータを統合することで、予測分析を行い、トレンドの洞察を得られる

3.データ可視化のポイント

①対象と目的を明らかにする

データを可視化する際、まず「対象が誰か」、「対象が何が知りたいのか」ということを考えるべきです。

データ可視化はデータをシンプル化にして表示するものにしても、対象に合わせて適切な方法を用いる必要があります。対象は専門家である場合、高度な知識と専門用語でデータを解釈する一方、一般的な人に対して、理解しやすい形でデータを示すということになります。

それから、対象が一番関心を寄せることを心がけることも重要です。対象が知りたいポイントを明確に提示しないと、データ可視化の目的に達したとはいえないでしょう。

②データの意味を理解する

データ可視化の対象と目的を知るだけでなく、データの意味も理解しておく必要があります。もしデータを完全に理解しなければ、データ間の関係を掘り出すことが難しいです。

データからすべての情報を抽出することもできないので、肝心な指標とデータを見出しましょう。それに、データの正確性を確認しなければなりません。

データを正しく理解していれば、データから独特で面白い情報を得ることもできます。

ストーリーテリングをする

ストーリーテリングは、事実を提示するだけではなく、「物語」として伝えることで、相手により強い印象を与えることができる手法です。

実際にデータ可視化はストーリーテリングにとても有用なツールです。データ可視化はストーリーテリングの一部として、冷たい数字とファクトを多彩な色、図形、チャートに表示し、メッセージの共感度が高まると考えられます。

下図のように、IOSの利用データから得られた情報を、ストーリーを組み立てながら可視化したものは印象的でしょう。

データ可視化のポイント

4.データ可視化の基本手法

以下は基本的なデータ可視化の手法を4つ紹介します。

①面積と大きさによる可視化

特定の図形の長さ、高さまたは面積によって、異なる指標に対応する数値と数値間の差を表現します。このようなデータ可視化の図形を作成する際には, 数式で正確な比例や大きさを計算する必要があります。

よく使われるチャートには、棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフなどがあります。たとえば、下図のような円グラフは 、総売上高に対する各地域の割合を表します。
データ可視化の手法
そのほかの例:
データ可視化の手法

具体的にチャートの選び方について、データ可視化:1つの図でわかるグラフ/チャートの選び方をご参照ください。

②色によるデータ可視化

データの強弱を色や濃淡として表示すれば、データの密度をはっきりさせ、重要項目に注意を促します。

最も用いられるのはヒットマップです。下図のようなWEB改善におけるヒートマップはマウスの動きを追跡し、そのマウスのログから作り出しています。マウスの動きをヒートマップで表現することにより、ユーザーの行動を可視化することができるのです。
データ可視化の手法
また、下図のようなヒートマップは地図で各地の震度を色で表現し、震度の分布を示します。
データ可視化の手法

③画像による可視化

実際の意味を持つ画像やアイコンを用いれば、データとチャートをよりリアルに表示し、データの意味が伝わりやすくなります。

例えば、下図の带グラフは、男と女のアイコンを背景として、各自の比率を表示します。一目でみれば、ずぐ男女間の数値の差がおわかりいただけるでしょう。
データ可視化の手法
そのほかの例:
データ可視化の手法

④地図によるデータ可视化

伝えたいテーマは地域に関わる場合、地図でデータを配置することが多いです。これより、ユーザは全体のデータを把握するだけはなく、位置をピンポイントし、地域の詳細なデータを閲覧することもできます。
データ可視化の手法
参考:地図の種類

(本記事はFineReportブログに掲載しました。

https://www.finereport.com/jp/analysis/datavisual/