簡単最速!North Star Metricsを中心に可視化ダッシュボードの作り方
下図の二つの管理ダッシュボードについて、みなさんどう思いますか?一目で見ると、チャートと指標が多すぎて、指標の間にも関連がなさそうです。データの変化がリアルタイムに見えますが、ほしいデータの結果がどこかと、何を中心にデータを分析すべきかはわかりません。原因として、ダッシュボードにNorth Star Metrics(道しるべの指標)がないからです。
オシャレなダッシュボードを上司などに呈すると、いい仕事をしてたって褒められるかもしれません。とはいえ、上司(経営層、業務担当者、管理職層などいろいろ)にとって、一目瞭然の指標から業務本質を見抜き、意思決定を助けるダッシュボードは一番有用なのではありませんか?
では、どのような指標はダッシュボードに必要ですか?
ダッシュボード①
ダッシュボード②
1. いい指標についての考え
「Lean Analytics. Use Data to Build a Better Startup Faster」という本にいい指標の評価方法が述べられます。
1)比較可能性(英語Comparability)。各時間範囲の指標(ユーザグループ、競合製品の売上など)を比べることで、商品の動きを見通せること。
2) わかりやすい。チームあるいは会社のすべての人がその指標を覚えられること。例えば、増加率、利益率、支払率など。
3)指標が比率で表示。比率は行動を導く指標だといえます。例えば、毎月のユーザ増加率によってユーザの状況を判断できます。ユーザ増加率の急増から重要な活動が行われたことがうかがえます。
2. 正しい指標を見つける
1)定量的指標と定性的指標
定性的指標より定量的指標を優先するのは一般的です。定量的指標は店舗の売上、年間契約率など数字で表示する指標です。定性的指標は過去経験に基づき、数値化が難しい指標(ポジション、顧客満足度)です。
2)経営目標に直結した指標と経営目標からかけ離れた指標
指標は部署と会社の目標に関するものでなければなりません。さもなければ、行動の道しるべになれないし、部署と会社の成長に何の役にも立ちません。
3)現状指標と予測指標
現状指標は現状を把握するための指標であるのに対して、予測指標は未来に何が起こるか予測する指標のこと。現状指標と予測指標が会社の運営状況によって設定されます。
4)相関関係指標と因果関係指標
相関関係と因果関係は統計学の二つの分析手法です。相関関係とは「一方の変数の増減にあわせて、もう一方の変数も増減する」関係のこと。こういう関係がある指標を一つのグラフ(例:折れ線グラフ+棒グラフ)に表示できます。一方、因果関係とは「Aが原因となってBという結果が起きる」関係のこと。こういう関係がある指標を一つのグループに表示したほうがいいです。
3. North Star Metrics(道しるべの指標)を中心にダッシュボードを作成
以下はある不動産会社の販売状況を例として道しるべの指標を中心にダッシュボードを作成します。複数のデータソースを統合し、データをリアルタイムにリフレッシュすることを実現できるデータ可視化ツールFineReportを利用します。
ステップ1:道しるべの指標を決める
意思決定を助ける経営ダッシュボードには「XXX不動産会社販売状況」のような明確なテーマがあります。このようなダッシュボードの指標を指標を立てる際に、North Star Metricsを分解してみましょう。
「North Star Metrics」(道しるべの指標)を決めると、それはダッシュボードの中心になって、北極星のように方向を導きます。このダッシュボードの道しるべの指標は同不動産会社の営業部が一番関心を寄せるもの——2018年売上高です。
ステップ2:道しるべの指標を分解する
経営層に道しるべの指標の深層を理解できるように、その指標の値を分解する必要があります。
1)時間
複合グラフ(折れ線と棒グラフ)で月ごとの売上高の推移を表示します。
2)場所
同会社のプロジェクトが全国に分布しているので、地図マップで地方ごとの売上高を表示する必要があります。
3)割合
経営層に指標の達成度合いがわかるように、ここはメーターで目標達成率を表示しています。場合によっは進捗率なども使います。
4)部署、支社、プロジェクト別
一般的に、会社が複数の部署、支社あるいはプロジェクトを含め、これらの指標が全体的な指標を組み立てるでしょう。ここはプロジェクトと支社によって売上高を降順で並べ替えることで、ランキング上位のプロジェクトと支社を見ることができます。
5)直結した指標
売上高=総契約金額、実際の売上高=総支払い金額。
ここは折れ線グラフで売上高に直結した指標の契約金額と支払い金額を表示しています。
まとめ
簡単にいうと、North Star Metricsを中心にダッシュボードの作成は、「道しるべの指標の設定→相関関係と因果関係による指標の分解」二つのステップに分かれます。ピラミッド原則に似っているのではないでしょうか?どんなダッシュボードでもこのような原則に従って素早く設計できるはずだと考えられます。
最後に、ここで利用したFineReportにご興味のある方は公式サイトでダウンロードできます!