無料帳票ツールの特徴とデメリットまとめ【4選】
企業は帳票ツールを導入する際、まず「自社にはどのような帳票ニーズがあるか」を検討する必要があります。たとえば、帳票が少ない(三、四枚の程度)場合は、フリーかオープンソースの帳票ツールで開発すればよいです。帳票は種類が多くて、様式が複雑である場合、商用のソフトウェアをお勧めします。
さらに、無料/オープンソース帳票ツールでも商用帳票ツールでも、その導入と配置の難易度、保守コスト、性能、学習コスト、および異なる利用シーンへの柔軟性を考えなければいけません。
ここは、おすすめの無料/オープンソース帳票ツールの特徴とデメリットを記載します。
1.JasperReports
JasperReportsはプログラマーに最も人気のオープンソースのJava帳票作成ツールで、ireportと組み合わせてJava環境で帳票の開発によく使用されます。PDF、HTML、XLS、CSVおよびXMLのフォーマットで帳票を出力できます。
特徴:
- iReportのグラフィックな画面で帳票を設計できる
- Javaアプリケーションに組み込んで使うことができる
- ETL、OLAP、およびサーバーコンポーネントは、企業既存のシステムとの統合を容易にする優れた環境を提供する
- Windows、Linux、およびMacで実行できる
デメリット:
- 帳票を生成するためにxmlの編集またはプログラミングが必要であるため、学習に時間がかかる
- 不規則な帳票フォーマットを作る際、ほとんどの機能はコーディングが必要になる
- 一枚の帳票にマルチデータソースを統合できなく、1つのデータソースのみを利用する
- なんでもコーディングで実装するので、帳票の仕様変更などに素早く対応できない
- ドキュメントは英語で書かれて、しかも有料利用となる
2.Seal Report
Netフレームワークを使用して、C#で開発したツールであり、データベースから帳票を生成するための完全なフレームワークを提供します。この製品は簡単なインストールとレポートの設計に専念し、一度インストールすれば帳票を効率的に作成して配布することができます。 .
特徴:
- 動的SQLでクエリを実行できる
- ローカルのピボットテーブルをサポートする
- HTML 5を介した迅速なWeb帳票を生成する
- 階層型ナビゲーションと帳票を設計できる
- 定期的にデータの読み込み、処理、バックアップなどをスケジュールできる
デメリット:
- ドキュメントもチュートリアルとも少なく、学習にJasperReportより時間がかかる
- バージョンアップはほとんどないので、バグがあったら、修正が困難である
3.BIRT
BIRTはJavaやJava EEに基づき、Eclipseで開発したオープンソースのプロジェクトです。
BIRTには主に2つのコンポーネントがあります。ひとつは、BIRT帳票とレポートを作成するためのEclipse IDEに組み込まれたビジュアルなデザイナ。もうひとつは、あらゆるJava環境にデプロイすることができる帳票とレポートを生成するランタイム コンポーネントです。
特徴:
- 帳票デザイナに加えて、帳票エンジン、データエンジン、チャートエンジンなどのコンポーネントも含まている
- 開発者コミュニティは他のオープンソースツールより内容が充実している
- 設計画面がユーザーフレンドリーで、ナビゲーションが使いやすい
デメリット:
- グリッドの設計モードは複雑な日本式帳票に対応できない
- データ入力機能が備わっていないので、実装に時間がかる
- キャッシュ、同時実行制御どビッグデータ処理の機能がない
4.FineReport
オープンソースの帳票ツールではありませんが、個人用の場合無償となります。(最大2ユーザーが利用可能)
Excel+データ列紐付け形式のGUI画面によりノーコーディングで帳票を作成し、複数のデータベースを関連付け、異なる業務システムのデータを一枚の帳票テンプレートに表示します。
特徴:
- Java製のソフトであるため、独立型/組み込み型デプロイにより、さまざまなシステムトとシームレスに連携可能
- フィルタ/パラメーター連動より高度な検索機能を実現してくれる
- 業務帳票、レポートでデータを入力・送信する時には、データを直接データベースに保存する
- 豊富なドキュメントとチュートリアルを無料で用意するので、学習コストが低い
- Web帳票は専用のビューアーが不要なため、様々なデバイスのブラウザーでの閲覧ができます。
デメリット:
まとめ
無料/オープンソースの帳票ツールはそれぞれの利点を持っていますが、共通のデメリットがコーディングが必要になる場面が多々あり保守性が悪くなると、習得が難しいことです。それはやはり開発レベルの高く、帳票仕様に変更が少ない会社や部門に適するのではないでしょうか。
また、商用帳票ツールの導入に迷っている方は帳票作成ツールを比較して選ぶ8つのポイントをご参考になさってください。
本記事はFineReportブログに掲載しました。(http://www.finereport.com/jp/basicknowledge/openreport/)